矯正治療のはなし

日本矯正歯科学会認定医 工藤 泰裕

矯正の価値は装置ではない、結果です。

これから矯正治療をはじめようと考えている人が、装置に関心をもつことはわかります。目立たないとか、取り外しだとか、魅力的な言葉に惹かれるのが人情です。

その心理をうまく利用して経営戦略する歯科医院があるので、仕方のないことではあります。

 

しかし重要なのは、何を使うかよりどう治るか、ちゃんと治るかではないでしょうか。ご自分の症状が、どう治るのかがイメージできるような情報こそ大切です。

 

また、治療に要する期間が曖昧では困ります。しっかり確認して下さい。

 

私の施術は以下のとおりです(永久歯列期の本格矯正の場合)。

 

矯正装置はマルチブラケット装置です。

審美ブラケットを表側に付けるワイヤー矯正と言った方がわかりやすいでしょうか。

治療期間は抜歯・非抜歯にかかわらず18ヶ月から24ヶ月(ごく稀に超えることあり)。

ひと月に一度の受診(治療内容によって二度のことあり)
治療例は様々なケースに対応できるようにブログに多数掲載しています。

 

ブログは矯正治療の技術解説書ではないので、専門的なテクニックの説明はありません。例えばブラケットポジション、ワイヤーの曲げ方、どの段階でどのワイヤーを入れるか、細かな注意点、コツ、さじ加減を記述することはブログの趣旨ではありません。

 

したがって、掲載の写真は途中経過を省いて、術前と術後の写真のみです。

 

【初診時】

 

17才 男性

 

検査資料を分析して診断をたてます。

上顎の抜歯、下顎非抜歯でマルチブラケット治療を始めます

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【治療後】

 

治療期間 19ヶ月

 

装置を外して、保定に移行します。

撮影の都合上、保定装置は外していますが、普段はリテーナーを付けています。

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歯列の凸凹は解消され、初診時の面影はありません。

下顎は非抜歯にもかかわらず、うまく配列できました。

 

私には、約束した治療期間で治す責任があります。そのため、治療は効率よく確実である必要があります。治るのか治らないのかわからないような装置では困るのです。

ちまたには、いろいろな矯正装置がありますが、重要なのは治ることです。キラキラしたホームページに惑わされることなく、治るに足る装置の選択するべきです。