歯科矯正
反対咬合症例の怖いところは、下顎骨が今後どれくらい成長するのかが、予測できないことでです。 ほとんどの症例は反対咬合の改善治療のあと、安定した経過をたどりますが、 一部の症例では、想定を超える力強い成長がじりじりと続く場合があります。 いずれ…
これから矯正治療をはじめようと考えている人が、装置に関心をもつことはわかります。目立たないとか、取り外しだとか、魅力的な言葉に惹かれるのが人情です。 その心理をうまく利用して経営戦略する歯科医院があるので、仕方のないことではあります。 しか…
重ね合わせ図は治療効果を検証するうえで、重要な情報を提供してくれます。 例えば、どう治ったか、どう治らなかったか、作用は反作用は、など目で見て分かります。術者の治療技術を如実に反映する鏡とも言えます。 上の重ね合わせ図は今回の症例です。説明…
矯正治療で大切なことは、考え方に筋が通っているかどうか、ということです。 事の道理、事を行うときの正しい順序が重要視されます。 矯正治療を進める筋道は次の通りです。 ①学術的知識 ②症例の問題点の抽出(検査・診断) ③技術 ④治療効果の判定 このこと…
シリーズ4回目。 埋伏歯を歯列に誘導するのも、矯正歯科の仕事です。 (まいふくし) 【初診】 中学生 女性 前歯がありません。 骨の中に埋まったままで、生えてこれない状態です。 このままでは、日常生活にいろいろ支障をきたします。 埋伏歯の誘導であっ…
矯正治療をする動機は、人によって様々です。 八重歯を治したい。出っ歯だ。凸凹が気になる等いろいろです。 人によっては口元を引っ込めたいといった要望もあります。 【初診時】 17才 女性 それ程、歯列の凸凹はありません。 頭部エックス線規格写真など、…
「乳歯列期の反対咬合が観察でよい理由」、 最初に結論を述べます。 それは「後でも治るから」です。 実際の症例で検証してみましょう。 【乳歯列期】 本症例は、乳歯列後期または混合歯列前期と言った方が正確かもしれません。 6才 女子 矯正相談のため来院…
私が矯正治療について考えるときは、歯と顎を分けて考えます。 例えば、成人で歯列に凸凹がある症例といっても、以下に示すように上下顎の関係性は様々です。 ①上下顎の前後関係が上顎前突傾向のもの ②上下顎の前後関係が反対咬合傾向のもの ③上下顎の前後関…
奥歯は咬んでいるのに、前歯は咬んでいない、開いている。 不正咬合の一種で、開咬(かいこう)と言います。 程度の差はありますが、めずらしい症例ではありません。 子どもから大人まで、年齢に関係なく存在しますが、あなたは大丈夫ですか。 原因は種々あ…
歯を抜く矯正治療、歯を抜かない矯正治療。 そもそも抜く抜かないはどのようにして決めるのか、説明します。 診断には精確な検査資料が必要です。 例えば、頭部エックス線規格写真(横顔のレントゲン)の撮影時に0. 数ミリでも咬み合わせにずれがあっては、…
年齢が上がると歯の移動速度が遅いとか、治療期間が長くかかるとか、 そんなことはありません。とくに矯正治療が難かしくなるわけではありません。 ただ、差し歯やブリッジなどの補綴物(ほてつぶつ)があったり、歯周病になっている場合は、そちらへの対応…
成人女性、歯並びを気にして来院されました。 【初診時】 矯正治療の技術を持たない場合、向かって左上の二番目の前歯を抜いて(本人の右)、その両隣の歯を細く削り、連続した差し歯、いわゆるブリッジを入れる方法をとるかもしれません。色・形を統一する…
次の2枚の写真は同じ症例です。 混合歯列期と永久歯列期に撮影したものです。 (混合歯列:乳歯と永久歯の混合) 前歯の凸凹がどうなったか見比べて下さい。 7才 12才 前歯の凸凹の程度が少なくなりました。 さて、ここで問題です。 私は何をしたでしょうか…
最初にレントゲン写真を示します。 パッと見てどこに違和感を感じますか。 そうです。向かって左上の犬歯が引っかかって生えてこれない状態ですね。 (本人の右上) 次に、同じレントゲン写真に番号を付けました。 もう一度質問します。どこに違和感を感じま…
歯科医師にもいろんな先生がいます。 私のように矯正治療が得意な人もいれば、そうでない先生もいます。 従って、同じ症例であっても、担当医の考え方ひとつで治療方法が異なることがあります。このことは歯並び・咬み合わせの相談をどこでするかによって、…
ここ最近、当医院では40才以上の女性の矯正相談が増えています。 子育てが少し落ち着いた。 今まで気になってはいたけれど、矯正治療の機会がなかった。 理由は人それぞれでしょうが、ようやく矯正歯科医院にたどり着きました。 矯正相談では現在の状態、治…
不正咬合を治療するときは、歯と顎顔面のバランスを考える必要があります。 例えば、不正咬合の種類によっては、顔つきに特徴がでます。 下顎前突(反対咬合)は下顎前突の顔に、上顎前突(出っ歯)は上顎前突の顔に。 ここまでは何となく想像できると思いま…
過去記事に埋伏歯①があります、今回は②です。 あなたは、この症例をどう考えますか、一緒に診ていきましょう。 【初診時口腔内写真】 17歳 女子 正面に歯が縦にふたつあります。 過剰歯でしょうか。それと、前歯の形が左右で違います。 向かって右の前歯(本…
きっかけがなかった。 かといって、もう年だから矯正治療には、なかなか踏み出せない。 いいえ、大人だからこそ矯正治療をして、美しさと健康を手に入れるのです。 今はそんな時代です。 何もしないのも自分、行動するのも自分。決めるのも自分です。 先ず矯…
歯列は次の三つの段階を経て成長します。 乳歯列(期)→混合歯列(期)→永久歯列(期)。 不正咬合があったとしても、乳歯列期での治療の必要性は高くありません。混合歯列期まで定期的に観察するだけで良いでしょう。 【初診時】 本症例は混合歯列期の反対…
前回のテーマは「顔を治す」でした。 矯正治療では、歯の凸凹を治すだけではなく顔の外観も変えることができます。 反対咬合は反対咬合の顔、上顎前突は上顎前突の顔をしておりそれぞれの特徴を有して います。また、口元がもっこりした感じの場合、正しい診…
反対咬合症例であっても、乳歯列では治療の必要はありません。小学生になった時点で改善がなければ、矯正歯科医に相談して下さい。 また、何かの事情で反対咬合の治療時期をのがした場合であっても、気が付いた時点で矯正歯科医院に行ってください。成長期を…
ヒトの歯列は、乳歯列(期)→混合歯列(期)→永久歯列(期) と成長します。 乳歯列期に不正咬合があったとしても、この時期は治療せず、観察します。 乳歯列に隙間がないからといって、歯列拡大など早期に治療する必要はありません。 混合歯列期は、生え変…
一本だけ反対咬合でも、 この一本の歯がいろいろな問題を引き起こしています。 このことについて、説明します。 まず、通法にしたがって、検査・診断をします。 本症例の治療方針は以下の通りです。 第一段階: 上顎前歯の配列による機能的障害の除去と反対…
さっそくですが、本症例の診断結果を以下に示します。 ①骨格性反対咬合である ②下顎が前に誘導されている ③かつ、左に顎変位していく ④上顎前歯2本の先天欠如 ここに挙げた点について、ていねいに対応していきます。 ただ、ひとつだけ治療を難しくする要素が…
矯正治療は原因にアプローチすることで、達成されます。 そのためには資料を正確にとること、正しい診断をすることが必要です。 間違った診断は、間違った治療に発展します。 【初診時】 小学1年生 男子 反対咬合は次のタイプに分類されます。 ①歯性の反対咬…
矯正歯科に従事していると、過剰歯、欠損歯、癒合歯、埋伏歯、形態異常など、 いろいろ経験します。問題は、個々の歯の形や数にとらわれるのではなく、 口腔全体としてどう調和させて、美しく整え、機能するかを考えることです。 今回は、そんなお話しです。…
子どもの反対咬合は、適切な時期に適切な治療をしなくてはいけません。 とくに横にズレるタイプは放置することのないようにして下さい。 全ての症例は検査資料を採り、診断をして治療方針をたてます。 今回は、小学3年生 男子 反対咬合症例です。 本症例の治…
ブログで紹介している症例は全て私が施術しています。 よって、画像には「kudo-ortho.com」の透かし文字を入れています。 さて、本題です。歯列の凸凹は、顎の大きさと歯の大きさとの間でバランスを欠いた時 に発生します。したがって、治療はバランスをとと…
中学3年生の男子が歯並びを気にして来院されました。 矯正相談は保護者同伴で時間をかけて行います。 相談者はこの時点で反対咬合の傾向があるので、私からは顎の成長発育に関する治療を 提案しました。もちろん矯正治療をする・しないはご本人の判断なので…