矯正治療のはなし

日本矯正歯科学会認定医 工藤 泰裕

歯科医師選び

歯科医師にもいろんな先生がいます。

私のように矯正治療が得意な人もいれば、そうでない先生もいます。

 

従って、同じ症例であっても、担当医の考え方ひとつで治療方法が異なることがあります。このことは歯並び・咬み合わせの相談をどこでするかによって、ご自分の未来が変わってしまうことを意味しています。

 

【初診時】

本症例を例題として、症例のとらえ方の違いを考えてみましょう。

 

・前歯が一本飛び出している症例。

はたして、そうでしょうか。違う見方はありませんか。

 

・一本を除いて、前歯がたおれている症例。

見方が、逆転しています。

 

・顎が狭いので凸凹がある症例。

こう考える先生もいることでしょう。

 

・前歯の異所萌出

抜いて、人工物で補うか。

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頭部エックス線規格写真をきちんと分析します。診断とは、検査資料を読み解き問題点を抽出することです。本症例は咬み合わせの深い上顎前突症例です。

通法に従って矯正治療をします。

 

【治療後】

 

動的治療期間 19ヶ月

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咬み合わせの深さの違いが分かりますか。

ピカピカの天然歯、自分の歯、きれいです。

 

【術前術後の比較】

 

本症例は私が矯正治療をしましたが、同じ症例であっても先生によって扱い方が異なることは、冒頭にお話ししました。

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異なる見解について、もう少し考えてみましょう。

 

極端な例は歯を細く削って、差し歯にする方法(けしてお勧めできない)。

場合によって向かって右の前歯を抜くかもしれません。医院によってはセラミック矯正と宣伝していますが、この方法は矯正治療ではありません。

 

良識のある先生は、矯正歯科医宛ての紹介状を持たせてくれるでしょう。

 

最悪なのは間違った知識による治療行為です。新興の矯正セミナーを受講した先生にみられるケースで、症例に関係なく一律に上顎に急速拡大装置を使用します。

 

ついでながら、急速拡大装置の話をもうひとつ。

小さな子どもを連れたお母さんの矯正相談です。他医院で急速拡大装置を勧められたとのことでした。私が診たところ、現在どこにも問題はなく、拡大の必要はありません。そもそも矯正治療の必要性がないのです。どうしてそういう話になるのか、不思議でなりませんでした。聞けば、レントゲン写真上で永久歯が窮屈になっており、このままでは、将来凸凹になると言われたそうです。

 

この話の中に、人をだますテクニックがあるので、覚えておいて下さい。

「レントゲン写真上で永久歯が窮屈」に見える特性を利用したのです。

これは上顎骨の構造上、後続永久歯はその様に位置取りをします。画像では窮屈に見えるだけなのです。今は問題のない乳歯列の子どもに将来の不安をあおり、親の責任論を説き、必要のない矯正治療に誘導する悪質な行為です。

 

※ レントゲン写真の見え方については、

  29話「みにくいアヒルの子」を参照してください。

 

いろんな先生がいて、その考え方で治療方法が異なるのが分かりました。

そこには、誤った治療もある。必要のない治療もある。健全な治療もある。

どこで何をするかは、自分の、自分の子どもの未来を決めることでもあります。

歯科医師選びには慎重な判断が必要です。

 

信仰か、治療か

適切な時期に、適切な治療を施すのが矯正歯科のセオリーです。

 

しかしながら、極端な早期治療や間違った治療が行われているのも事実です。

親として知っておいた方が良いことがあります。

 

【症例1】

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【症例2】

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写真は、歯列の凸凹を気にして、矯正相談のため来院されました。

私は、この歯並びは今のところ何も悪さをしていない、今は何の治療も必要がない、

観察でいいと説明しました。
はじめは、心配顔のお母さんも、矯正相談が終わる頃には笑顔になり、安心感を持っていただけます。

 

実際のところ、小さな子を観察にすると、それっきりで再来はほとんどありません。

観察にすると、歯科医院はお金にならないのです。

 

そこで、なんとか装置を入れようと考える歯科医師がいても不思議ではありません。

とりあえず、床矯正装置や拡大装置を入れておけば、現金化できるのも事実です。

そんな悪徳な歯科医師に巡り合わないとも限りません。

 

自分の子どもを守るには、親が賢くなる必要があります。

 

掲載の写真とは関係ありませんが、私のところに、セカンドオピニオンで来院した親子の例を紹介します。

 

ある歯科医院で、顎が狭いとの理由で(実際には狭くない)、矯正治療を勧められたので診てほしいとのことでした。

 

お話を伺ったところ、レントゲン写真を見せられて、上顎が狭いので、歯並びや呼吸に影響がでている、顎を拡大し、将来にそなえる必要がある、急速拡大装置の使用を勧められたと言うのです。

 

私の判断は、現在の歯列に凸凹はなく、顎が狭いという兆候もない。将来の歯並びは、その時点で検討し、必要に応じ対応すればいいというものです。

 

さて、この子どもの年齢はいくつだと思いますか。

5才と3才の姉弟です。こんな小さな子どもに、必要のない矯正治療を勧める行為はあまりにも悪質です。

 

お母さんの機転でこの子は難を逃れましたが、

仮に、この子の様に、狭くない正常な顎を拡大したとします。

どういう事が起きるか、シミュレーションしてみましょう。

 

現在、上下の歯はちゃんと咬んでいます。拡大の結果、上顎の歯列は横に拡がり、下顎の歯と咬まなくなります。

 

そこで、下顎にも拡大装置を入れるのですが、これがいけない。

下顎骨は解剖学的に拡大は不可能です。一見拡大したかに見えても、それは歯が外側に傾斜しただけの状態です。家の基礎はそのままで、柱が外に傾いたようなもので非常に不安定です。

 

最もダメなのは、急速拡大装置を狭くない正常な顎に使用することです。

鼻の通りが良くなるのを通り越して、鼻の形が横に拡がったり、顔が平たい感じになることがあります。

もはや治療といえる代物ではありません。


ここまでは子どもの話し。

 

永久歯列の矯正治療のケースを考えてみましょう。

ことさら非抜歯を推奨する場合は、歯列の拡大で対応します。狭くないのに拡大します。凸凹が解消されるまで、徹底的に拡大します。当然、歯は外側に傾斜して、頬っぺたは膨らみ、口元は突出してくるので、歯、歯列、顎、顔面の調和は乱れます。

 

では、なぜこの様なことが、まかり通っているのでしょうか。

正治療の経験がない歯科医師が、セミナーや講習会を受けただけで未熟のまま手を出すからです。先生は治療をしている気分になっているので、被害が拡大します。

 

ある日、仲間の日本矯正歯科学会認定医との集まりがあった時、私と同様の経験をもつ先生が複数いました。どうやら、あるセミナーを受講した人達が、一様に先に挙げたような、悪質な治療方法とるようです。

 

私たち矯正歯科認定医からみると、間違った方法、無謀な行為なのですが、

そのグループ内では標準的であるようです。もはや信仰に近いといっていいでしょう。

 

彼らが多用するキーワードを挙げておきます。

「顎が狭い」「将来凸凹になる」「早いほうがい」 「急速拡大装置」 「下顎の拡大」「呼吸が」「姿勢が」「非抜歯のため拡大」

 

この時、レントゲン写真を使います。説明が上手いので心にスッと入ってきます。

取り返しがつかなくならないよう、十分にお気を付けください。



 




 

 

大人の矯正治療

ここ最近、当医院では40才以上の女性の矯正相談が増えています。

 

子育てが少し落ち着いた。

今まで気になってはいたけれど、矯正治療の機会がなかった。

理由は人それぞれでしょうが、ようやく矯正歯科医院にたどり着きました。


矯正相談では現在の状態、治療方法、治療効果などひと通りの説明をします。

正治療は子どもだけのものではありません。大人も積極的に矯正治療をする時代です。

 

【初診時】

 

この方は、二人の中学生をもつ主婦です。初診時の年令は36才。

 

今まで気になっていた歯並びを、ようやく治すことにしました。

          

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このブログでは、矯正治療上の技術的な解説はあまりしていません。装置の写真、途中経過の写真もありません。この点において、歯科関係者は物足りなさを感じるかもしれません。

 

装置の製作方法や針金の曲げ方、歯を移動させるテクニックなどは術者側の問題であって、患者さんにとってはどうでもいいことで、ご本人の関心事はもっぱら自分の歯・顎・顔が治るのか治らないのか、治った場合どう治るのかにあると、私は考えています。

 

【治療後】

 

治りました。

 

私が施術するマルチブラケット治療の治療期間は、18ヶ月から24ヶ月です。

 

写真はマルチブラケット装置を外し、保定に移行した時のものです。撮影の都合上、保定装置を外していますが、当面の間は装着します。

 

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歯並び・咬み合わせが悪い場合のデメリットはいろいろいわれていますが、ひとつだけ私の経験を紹介します。

 

はじめに、本症例とは関係がないことを、ことわっておきます。

 

一般歯科からの紹介で当医院に来院した成人の患者様です。拝見したところ、上下歯列の凸凹が顕著で、右下の二番目の前歯がかなり内側に傾斜していました。こういう場合、舌には歯の形に添って圧痕がありますが、その症例は潰瘍になっていました。凸凹の歯が慢性的刺激となって、舌組織を犯していったのでしょう。

 

解決の方法はいくつかあります。私の得意分野である矯正治療による歯並びの改善。

正治療をやらないのであれば、原因歯の形態修正か抜歯を提案しました。

 

後日、紹介元の先生に伺ったところ、抜歯を選択、その後、舌の潰瘍は消退したいうことでした。

 

口腔内の慢性的刺激には、歯列の不正、むし歯による歯の崩壊部、あわない入れ歯などがあります。最近では舌ピアスも挙げられると私は考えています。

 

いずれにせよ、歯並び・咬み合わせは治しておいた方が良さそうです。

 

 

安易な歯列拡大・部分矯正・歯を削る方法

不正咬合を治療するときは、歯と顎顔面のバランスを考える必要があります。

 

例えば、不正咬合の種類によっては、顔つきに特徴がでます。

下顎前突(反対咬合)は下顎前突の顔に、上顎前突(出っ歯)は上顎前突の顔に。

ここまでは何となく想像できると思います。

次は聞きなれない言葉です。

上下顎前突という症例があります。これは横顔のバランスの中で、口元が出ている感じのものを言います。

 

いずれにせよ、上に挙げた各症例は矯正歯科医師が検査資料を分析した結果、使われる名称です。他人の顔をぱっと見て判断してはいけません。

 

【初診】

 

17才 女性

 

検査資料を分析して診断をたてます。

上顎前突と歯列の凸凹を併せ持った症例です。

抜歯分析の結果は抜歯判定です。

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【頭部X線規格写真】

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頭部エックス線規格写真では、数値化した患者データと日本人平均値を比較し、問題点を抽出します。

 

上顎前歯部には鮮明に見えるのものと、さらに前方に薄く見えるものがあります。

上顎前突の程度は著しく、画像では分かりにくいですが、口元は突出して口唇閉鎖が困難です。

 

【治療後】

 

マルチブラケット装置を外しました。

初診の上顎前歯の位置は、治療によって後ろに後退しているので、口唇閉鎖は容易となっています。

 

(横顔と口元が変化した図は39、45、48話を参照して下さい)

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頭部エックス線規格写真は矯正治療をする上で絶対不可欠な資料です。

横顔のバランス、口元の突出度、顎の形など重要な情報を提供してくれます。

 

一方で、口の中だけを見て判断すると、次のようなことが起こり得ます。

 

例1:歯列に凸凹があると拡大する。

                                            写真は初診時の本症例

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正常な顎を顎を拡大すると、側方歯は頬っぺた側に傾斜し、前歯は唇側に傾斜し口元は突出することになります。術者の視点は凸凹の解消に注がれるため、副作用に気づくことなく拡大を続け、取り返しがつかなくなります。

 

例2:セラミック矯正の誤解

 

セラミック矯正は矯正治療ではありません。歯を細く削って、差し歯やブリッジなどの被せ物をいれる方法は、補綴治療と言います。

          (ほてつ)

              写真は初診時の本症例

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例えば、上の二番目の歯を抜いて、犬歯から犬歯の連続したブリッジでを入れる方法です。前歯の見てくれを修正しただけで、全体は治っていません。また、被せ物などの人工物は、いつの日か取り換えの可能性があり、一時的な処置と言えます。

 

上の2例は、口の中だけの情報て判断した典型例です。

 

不正咬合は顎・歯・筋肉や習癖などの機能を含めた全体のアンバランスが原因で生じています。つまり矯正治療とはアンバランスをバランスへと整えることです。

 

安易な歯列拡大や部分矯正あるいは歯を削る方法には、顎顔面全体のバランスを整えるという考えが欠落しており、およそ矯正治療とは言えません。

 

皆さんは、正しい矯正治療を受けましょう。

 

埋伏歯 ②

過去記事に埋伏歯①があります、今回は②です。

 

あなたは、この症例をどう考えますか、一緒に診ていきましょう。

 

【初診時口腔内写真】

 

17歳 女子

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正面に歯が縦にふたつあります。

 

過剰歯でしょうか。それと、前歯の形が左右で違います。

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向かって右の前歯(本人の左)の先端はやむをえず削ったのでしょう。

 

向かって左上の第二小臼歯が90度回転しています。

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左右の犬歯の位置にある歯は、犬歯ではなく第一小臼歯です。

 

では犬歯はどこに、先天欠如か、埋伏か。それに反対咬合の傾向があります。

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【初診時レントゲン写真】

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レントゲン画像で分かりました、両側の犬歯の埋伏です。

 

埋伏歯を診るときのポイントは、位置と角度です。

 

この犬歯の状態では、本来の位置に復帰するのは不可能。

 

ただ、歯列への誘導は出来ると判断しました。

 

前歯の歯根が埋伏犬歯の接近によって吸収されています。

 

その他の資料やセファロ分析などから診断をします。

 

前歯は動揺が著しいことから抜歯、同部位に犬歯を誘導します。

 

全体としては反対咬合傾向があり、下顎第一小臼歯の抜歯が必要です。

 

 

【途中経過】

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前歯を抜歯、犬歯の誘導中。

 

【マルチブラケット治療終了時】

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前歯の位置に犬歯を誘導し機能させます。

 

向かって左の第二小臼歯の回転も修正しています。

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下顎第一小臼歯を抜歯、全体的な治療をしています。

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【レントゲン写真の比較】

初診時

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前歯を抜歯、犬歯の誘導

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動的処置終了

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【初診と治療後の比較】

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正治療を施術するにあたり、

 

大切なのは症例の全体像と患者様の将来を考えることです。

 

本症例はあくまでも反対咬合症例と捉えるべきでしょう。

 

(見た目は反対咬合ではありませんが本質的にはその傾向があります。専門的になりすぎるので説明は省きます)

 

埋伏歯は全体の一部であり、口腔機能全体をどう治すか。

 

どう治せば患者様の将来のためになるか。

 

正治療にあたる歯科医師は常にそのことを考えておかなければなりません。

 

 

 







 

大人だから矯正治療

きっかけがなかった。

かといって、もう年だから矯正治療には、なかなか踏み出せない。

いいえ、大人だからこそ矯正治療をして、美しさと健康を手に入れるのです。

今はそんな時代です。

 

何もしないのも自分、行動するのも自分。決めるのも自分です。

 

先ず矯正相談をして、やるやらないを考えるのはそれからで十分です。

 

【初診時】

 

成人 女性。

 

著しい上顎前突です。

彼女は矯正治療をすることにしました。

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矯正相談の日はお話だけです。現在の問題点や今後の予測などを説明します。

後日、やる場合は検査の予約を、やらない場合はそのままで結構です。 

 

【治療後】

 

どんな症例でも動的治療期間はおおむね1年半から2年です。きれいになったら、装置を外して保定に移行します。下の写真は撮影の都合上、保定装置を外していますが、普段は装着しています。保定装置は目立たない設計なので安心して下さい。

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かなりの出っ歯でしたが、今ではその面影は全然ありません。前歯が後退したことで口唇の閉鎖が容易になり、同時に口元のもっこりした感じがなくなりました。

あのまま何もしない選択肢もありましたが、この女性は矯正治療をすることで、きれいな歯並び・咬み合わせ、美しい横顔を手に入れました。

 

最近、当医院では40~50才代の女性の患者様が矯正治療をするケースが少しづつではありますが増えています。彼女たちにも、迷いがあったことでしょう。

 

私は、その決断に応えるため丁寧な治療で対応します。

 

やるやらないを決めるのはあなたです。

 

 

 

 

早ければいいというものではない

歯列は次の三つの段階を経て成長します。

 

乳歯列(期)→混合歯列(期)→永久歯列(期)。

 

不正咬合があったとしても、乳歯列期での治療の必要性は高くありません。混合歯列期まで定期的に観察するだけで良いでしょう。

 

【初診時】

 

本症例は混合歯列期の反対咬合症例です。

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【第一段階】

 

反対咬合の改善。中切歯を移動させました。

       (ちゅうせっし)

 

治療の原則は、原因にアプローチすることです。歯性の反対咬合なのか、骨格性の反対咬合なのかで治療のしかたが違います。検査資料を分析して、正確に診断する必要があります。

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装置を外して、観察に移行します。

 

【側切歯の萌出】

 

側切歯が生えましたが反対咬合です。治します。

(そくせっし)

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【側切歯の改善】

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これで、ひと安心です。顎の成長や永久歯の生え変わりを観察していきます。

 

【永久歯の萌出】

 

永久歯列になりました。

この時点で、もう一度、検査資料を採り診断して治療方針をたてます。

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マルチブラケット治療を始めます。

 

【第二段階】

 

                                    (正面画像なし)

 

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