歯や顎に機具を付けて、それらを移動させる。矯正治療は人間の体に介入するので、 慎重な対応が必要です。術者は少しだけ手を施して軌道修正する。正常な成長発育にの ったなら、あとは機具を外して、観察する。 私は、最小限の介入で、効率よく治療するのが…
歯が変なところから生えてきました。 上顎の前歯がご覧の状態です。異所萌出と言います。 これも矯正歯科の仕事です。 通法に従い検査資料を採り診断します。 【初診時】 9才 男子 【初診時レントゲン写真】 過剰歯が邪魔になり、歯が方向を変えています。 …
中学3年生の男子が歯並びを気にして来院されました。 矯正相談は保護者同伴で時間をかけて行います。 相談者はこの時点で反対咬合の傾向があるので、私からは顎の成長発育に関する治療を 提案しました。もちろん矯正治療をする・しないはご本人の判断なので…
不正咬合はなぜ治さなければならないか。 不正咬合は歯・顎・舌・筋肉・呼吸・習癖などのバランスを欠いた時に発生します。 あなたは、あなたの子どもはこの不均衡な状態のままで生活するのでしょうか。 不正咬合があるとQOLは低下します。 QOL(クオリティ…
はじめは本症例の模型、時期は初診と第一段階後です。 上顎前突症例には、前歯が出ているタイプと前歯がとび出ない代わりに咬み合わせが深くなるタイプの二種類があります。本症例は後者です。両者とも上下顎の歯列が前後的にズレているという点では共通して…
近頃は、いろんな矯正治療があるようで、何とか矯正とか、ほにゃらら矯正とか。 皆さん、いろいろ工夫を凝らしています。この手の矯正に共通しているのは「ハヤイ、 カンタン」です。私が施術するマルチブラケット治療の治療期間は1年半から2年です。 矯正治…
前回の「この症例を診断して下さい」とあわせて読むことを勧めます。 そこでは、反対咬合のタイプにはいろいろある事、診断の重要性について説明していま す。今回も、一緒に考えてみましょう。 初診時年齢 7歳 反対咬合です。 【初診時の頭部X線規格写真…
私と一緒に、この症例について考えてみましょう。 前回の「みにくいアヒルの子」では上の前歯の隙間について説明しました。 本症例も前歯に隙間があり、同じくアグリーダックリングステージです。 でも、よく見てください。問題点は別にあります、写真を見て…
みにくいアヒルの子の時期。アグリーダックリングステージ(Ugly duckling stage) 永久歯の前歯が生える時期のことで、一時的に正中離開が生じて、みにくいけれどその 後に側切歯、犬歯が生えることで隙間は閉鎖され美しくなる。 このことを、童話「みにく…
矯正歯科業界にも様々な有料の勉強会やセミナーがあります。一般歯科の先生が矯正治療をやってみたいと思えば、そういったところを受講することになるでしょう。数回の講義を受けるだけで修了証が得られるというものです。 セミナーの内容は主催者の自由な考…
たいていの歯科医師は、ワイヤーの曲げ方や装置のことを知りたがります。しかしながら、不正咬合を治すのは針金でもなく装置でもありません。正しい診断が不正咬合を治します。例えばヒトの発生や成長といった基礎的な知識を習得することは診断の精度を上げ…
将来の永久歯の凸凹を予測して、あらかじめ予防出来るものだろうか。 ちまたでは、6才臼歯がやっと生えた程度の低年齢児に対し、拡大装置の使用で 永久歯の凸凹を回避しようとする治療方法があるようです。 わたしはの答えはこうです。「必要のない矯正治療…
私は大抵の場合、「歯並び・咬み合わせ」と表現しています。 歯並びを治しましょうではなく、歯並び・咬み合わせを治しましょうという具合です。 それは「歯並び」と「咬み合わせ」が独立して存在しているのではなく、共存していると考えるから、この二つを…
テレビなどで活躍する芸能人やアイドルのうち、デビュー当時には八重歯があったの に、いつの間にか八重歯が無くなっている人がいます。あなたは何人、思い出せます か。何故、彼、彼女たちは歯並びを治したのでしょうか。理由は明白です。 綺麗になりたいか…
ほとんどの患者さんは、歯科医師であればだれでも矯正治療が「出来る」と思っていま す。違います、「出来ません」。説明します。 歯科医師が矯正治療の医療行為を行う事自体は違法ではありません。この点において 「出来る」でしょう。重要なのは「ちゃんと…
上顎前突症例 成人 女性 【初診時側貌】 横顔です。 著しい上顎前突のため、唇が閉じずらいので普段は唇の隙間から前歯が見えています。 唇を閉じる時は、かなり努力して閉じることになるので、顔の皮膚は引っ張られてオトガイ部(下顎の先)にウメボシ状隆…
乳歯の下、顎の骨の中にあるはずの永久歯が先天的に存在しない場合、 歯の生え変わりが行われず乳歯が歯列に残ることがあります。 このこと自体、比較的多く見られることで、乳歯が他の永久歯と協力して機能 していれば、特に問題ありません。今回は、乳歯の…
顎偏位(がくへんい)。下顎が横にズレて咬んでいる状態、顔もそれに伴って偏位して います。下顎のズレの原因は次のことが考えられます。 ・骨格的な原因として、下顎の骨が変形している場合。 ・機能的な原因として、歯の不良な接触で下顎が誘導される場合…
矯正治療には二通りあります。 歯を抜く必要のない症例(非抜歯症例)と抜く必要のある症例(抜歯症例)です。前者を「抜かない矯正」として、ことさら強調しセールスポイントにしている場合がありますが、それは「抜かなくてもできる症例」であって、特別な…
八重歯が可愛いかったのは遠い昔のことで、今は積極的に矯正治療をする時代になりました。見た目が悪いだけでなく、もう一つ重要な問題があります。それは犬歯の働きです。八重歯状態にある犬歯は、ただそこにあるだけで機能していない、働いていません。犬…
はじめは、矯正相談です。 自分の口・歯・顎・顔について、それまで分からなかった事が分かるようになれば安心できます。気軽に相談してください。相談の内容は人それぞれです。 ・歯の凸凹が気になる。 ・過剰歯や欠損歯がある。 ・反対咬合、上顎前突、開…
タイトルの「反対咬合の怖い話し」とは何か。実例を紹介します。 今回は反対咬合が改善した後、また反対咬合になった例を取り上げます。怖いですね。 症例は小学1年生、女子 反対咬合を気にして来院されました。 通法に従い、検査・診断をします。 本症例の…
埋伏歯(まいふくし)と読みます。顎の骨や粘膜下に埋まっていて、生えてこれない歯 のことを言います。タイトルの埋伏歯に番号①を付けました。今後、このシリーズがあ った時の為の整理番号です。 症例 左上犬歯が生えてこないのを気にして来院しました。 …
歯の先天欠如はそれ程珍しいことではありません。(統計データは他に譲ります) 先天欠如、すなわち歯がないこと自体は問題となりません。問題は歯がないことで隣り 合う歯が傾斜したり、傾斜した結果、咬み合う歯と不良な接触が生じることがあること です。…
反対咬合の治療時期は、早ければいいというものではありません、 しかし、遅いのも困ります。適切な時期がありますので、矯正歯科認定医に相談してく ださい。ひとつだけ覚えてほしいことがあります。 それは、小学校の高学年になると背が大きくなるのにとも…
ブログでは口腔内写真だけの掲載ですが、矯正治療の診断は口の中だけ診て判断するも のではありませんので、誤解のないようにしてください。検査資料は他にもあります が、あえて載せていません。 さて、成人の反対咬合症例です。次に示す写真を見るときは以…
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)という言葉を再確認してみましょう。 QOLとは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指 し、つまり、ある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を 見出しているか、…
矯正治療をするうえで、歯の凸凹の量が多いか少ないかは重要な問題ではありますが、 凸凹の量だけが、抜歯・非抜歯(ばっし・ひばっし)を決める要因にはなりません。 言い換えれば、凸凹がなくても抜歯するケースがあります。 今回はそんな、おはなしをしま…
このブログでは、わたしが治療した症例を紹介しながら矯正歯科の話しをしています。 いままで紹介してきたマルチブラケット治療はたまたま、抜歯症例が続いていました。 抜歯・非抜歯(ばっし・ひばっし)の判定は、術者の好みや、流行りの治療方法で左右 さ…
反対咬合を分類します。 ①、歯の傾斜角度がたまたま反対のタイプ(歯性反対咬合)。 ②、下顎が大きい、上顎が小さいなど骨格に問題のあるタイプ(骨格性反対咬合)。 ③、その他 原因によって治療方法は全く違いうので正しい診断が必要です。検査資料を採った…